ポリアクリルアミドを構成する発がん性物質
ポリアクリルアミドは、安定剤、成分同士をくっつける結合剤、発泡剤、潤滑剤として、化粧水や保湿剤、ヘアケア製品、日焼け止め製品などに配合されています。ポリアクリルアミドは、アクリルアミド(アクリル酸アミド)という物質が集まった重合体ですが、このアクリルアミドには発がん性が強く疑われており、乳腺腫瘍との関連も指摘されています。
化粧品に残っている発がん性物質のアクリルアミド
ポリアクリルアミドには、計測可能な程度(0.01〜1.2ppm)のアクリルアミドが残留しており、ポリアクリルアミド配合の化粧水やフェイスパウダー、フェイスクリームからはアクリルアミドが検出されています。
アクリルアミドへの接触量は、1日に体重1kgあたり0.83〜1.7μg(体重50kgの人であれば41.5〜85μg)にとどめるよう推奨されています。
しかし、化粧品経由でのアクリルアミドへの1日の接触量は、体重1kgあたり0.95μg。1日にタバコ1箱を吸った場合の体重1kgあたり0.67μgよりも多い可能性が報告されています。
また、化粧品のアクリルアミド濃度は、食品に含まれるアクリルアミドの濃度よりも高いケースが多いようです。
推奨されている0.83〜1.7μgは、アクリルアミドが残存した化粧品をたっぷり塗ったり、食品からの摂取量と合わせると、超えてしまう数量です。
そのため、EUではポリアクリルアミドに残存するアクリルアミドの量に制限を設けています。
皮膚から吸収されるアクリルアミド
アクリルアミドは皮膚から吸収されます。特に油と水が混ざった状態での経皮吸収は早くなるため、油と水の成分で構成される化粧品に存在しているアクリルアミドの吸収速度は他よりも早い可能性があります。
発がん性と生殖機能および神経毒性
これまでに実施された動物実験により、アクリルアミドは甲状腺がん、精巣がん、乳腺がん、子宮がん、下垂体がん、口腔がんへの関連性が予想されています。また、人間においては膵臓がんとの関連性が発見されています。
また、アメリカの国家毒性プログラムでは、アクリルアミドの神経毒性も検証しているほか、胎児の低体重を招く可能性も挙げています。
こんな成分を避けましょう
多くの懸念があるアクリルアミドは、下記のような成分に残存している可能性があります。
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ポリアクリルアミド
- アクリルアミド
- ポリアクリレート/ポリアクリレーツ
- ポリクオタニウム
- アクリレート/アクリレーツ
これらの名前から推測できるように、上記の成分はすべて生分解性がないマイクロプラスチックでもあります。
私たち人間の健康に影響するだけではなく、海や海洋生物の環境へも悪い影響を与えてしまいます。
これらの成分を配合しなくても、化粧品を作ることは可能。
できるだけ人間にも環境にもやさしい選択をしたいですね。
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「タバコよりも有害?化粧品成分「ポリアクリルアミド」の怖い話」への1件のフィードバック
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