シクロメチコンはシリコーンオイルの一種

地球と健康にやさしくない成分:シクロメチコン

シクロメチコンとは?

シクロメチコンは化粧品成分として使われるシリコーンベースの成分。化粧品の使用感を向上する目的で、スキンケア製品によく配合されています。
具体的には、次のような化粧品成分を総称してシクロメチコンと呼ばれます。

  • オクタメチルシクロテトラシロキサン
  • シクロトリシロキサン
  • シクロペンタシロキサン
  • デカメチルシクロペンタシロキサン
  • シクロペンタシロキサン
  • シクロヘプタシロキサン

化粧品に配合される理由

シクロメチコンは、べたつきがない軽い感触で肌に保湿感を与えることができます。また、肌に塗った後はすぐに蒸発するので、さっぱり感やさらっとした肌ざわりになります。

また、肌への吸収を促進する役割があるため、他の成分の効果を高めるとされています。肌にツヤ感を与えることで、シワを目立たなくする効果もあるとされています。

ただ、これらの効果は肌に塗った時の一時的なもの。

例えば、「肌に保湿感を与える」と言っても、肌そのものに潤いを与えるわけではありません。肌の上にコーティング層を作るようなものなので、かえって肌が乾燥したり、インナードライ肌の原因になる可能性もゼロではありません。

Cyclomethicone-2

シクロメチコンを肌に塗っても大丈夫?

美肌効果が一時的とは言え、使用感がよくなることは事実。そのため、シクロメチコンは多くの化粧品に配合されています。
でも、毎日肌に塗っても安全なのでしょうか?

一般的に肌への使用は安全と評価されています。しかし、肌への密着度が非常に高いため、落とすためには念入りな洗浄が必要。そのため、過剰洗浄によって肌バリアが傷ついたり、洗い残しによる肌トラブルにつながる可能性があることも知っておきましょう。

人体と環境への影響

また、肌だけではなく、人体や環境に対する影響も。
EUの欧州化学物質庁(ECHA)では、シクロメチコンを次のように分類しているのです。

  • 飲み込んだり気道に入ると命に関わる危険性
  • 吸入すると有毒である
  • 自然環境での生分解性がない
  • 水性生物に有害で、長期的な影響がある
  • 生殖毒性または胎児に影響を与える疑いがある

現在、EUでは環境ホルモンの懸念がある物質として、本格的な検証が待たれています。また、スウェーデンの自然保護協会(SSNC)でも、シクロメチコンは環境ホルモン物質としてリストアップされています。

多くの化粧品に使われているから安全。そう思っていても、実際にはそうとは言い切れないことがあります。配合されている成分のことを知って、より安心して使えるものを選びたいですね。

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