(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーとは?
スキンケアやメイクアップ製品など、幅広い化粧品で非常によく配合される成分。テクスチャや感触をよくするための合成成分です。そのほかにも増粘剤、皮膜形成剤、乳化剤として使用されます。
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーは、同じく化粧品に配合されていることが多いカルボマーという成分によく似た性質を持っています。
化粧品で使われる理由
多くの化粧品に配合される(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマー。どうして配合されるのか、理由を詳しく紹介します。
増粘剤
化粧品の粘度を上げることができます。つまり、水っぽいものをトロっとさせたり、クリームの硬さを調整できるのです。クリームや美容液がねっとりしているのは、これら合成成分の働きなのです。
テクスチャの向上
なめらかで光沢があるゲルや乳液。これらの感触も(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーによるもの。軽くてクッション性のある感触や、使うときの高級感を演出します。
乳化剤
本来、水と油は混ざりません。化粧品には水性成分と油性成分の両方が使われますが、分離せずに安定しているのは乳化剤が入っているから。(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーは、乳化剤としても使用されることがあります。
皮膜を形成する
肌に塗ると表面に密着し、通気フィルムのような皮膜を作ります。そのため、肌表面がツルッとなめらかになった印象を与えることができます。
美容・美肌の効果はない
上述した4つのポイントからわかるように、配合される目的は使用感の向上。そして、化粧品を安定させるため。
美肌・美容成分はありません。
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーの安全性は?
化粧品成分の安全性を評価するをCosmetic Ingredient Review (CIR) による評価では、肌への安全性は高いとされています。たとえ30%という高濃度で配合されていたとしても、肌への刺激性は認められませんでした。
肌への刺激はない。そして、安価にたくさん作ることができ、安定性も抜群。
化粧品成分としてメーカーにとっては申し分ありません。
でも、肌そのものがキレイになる働きはありません。
むしろ、マイクロプラスチックを製造する時にはたくさんの化学物質が添加物として使用されています。中には、安全性が確認されていないものも。
そして、もう一つ気にしてほしいことが。
乏しい生分解性
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーは水溶性のポリマーです。先述したカルボマーも水溶性ポリマー。
ヨーロッパの環境保護団体では、水溶性ポリマーは液体マイクロプラスチックとして扱っています。なぜなら、生分解性に非常に乏しいから。
自然環境に放出されると蓄積します。そして、現段階では、エコシステムに対してどのような影響があるかがわからないのです。
化粧品に意図的に配合されるマイクロプラスチックは、ヨーロッパを中心に規制され始めています。
しかし、規制の対象となっているのは非水溶性の合成ポリマーのみ。主にマイクロビーズと呼ばれるものです。
一方、同じように生分解性がない水溶性ポリマーは、対象外。理由は、環境に対するリスクが低いと考えられているから。
しかし、2021年に初めて行われた水溶性ポリマーの生分解性や環境毒性に関する調査では、逆の結果が示されました。
水溶性ポリマーが自然環境に放出された後、微生物に影響を及ぼすという結果が。そして、水溶性ポリマー自体の生分解性は5%以下であると報告されました。
それでも優しい成分と言える?
確かに(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーは、人間にとっては優れた成分と言えるのかもしれません。でも、地球にとってはどうでしょうか?
洗い流された後は、下水処理のフィルターをもくぐり抜け、そのまま海や川に流れ着きます。そして、分解されることなく、マイクロプラスチック汚染が広がっていくのです。
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーが配合された「やさしい化粧品」。あなたはどう思いますか?
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