医薬部外品と薬用化粧品は違うの?
いわゆる化粧品のカテゴリーにおいて、医薬部外品と薬用化粧品は同じ意味です。では、薬用化粧品(医薬部外品)と一般的な化粧品は何が違うのでしょうか。
有効成分の濃度が濃い?
薬用化粧品には、厚生労働省が効能を認めた有効成分が、安全性を認められた濃度で配合されています。
例えば、ビタミンCとして知られる「アスコルビン酸」の場合。厚生労働省では上限3%までの配合を安全としています。その規定内の配合で申請があった化粧品を個別に検証し、医薬部外品として承認しています。
一方、一般の化粧品は厚生労働省への申請や許可は必要がありません。商品の安全性の判断は、化粧品製造の許可を得ているメーカーや工場に委ねられているからです。
同時に、各成分の配合濃度もまた自由に決められます。また、意外かもしれませんが、医薬部外品の有効成分は化粧品でも配合することができます。
先ほど例に挙げた「アスコルビン酸」は、多くの一般化粧品でも配合されています。化粧品では配合量は自由。そのため、医薬部外品の最大配合量である3%よりも高濃度で配合されている可能性もあります(濃度が高ければいいというわけではありませんが)。
医薬部外品では、具体的な効果をアピールできる
厚生労働省への申請は手間もお金もかかります。それなのになぜ、メーカーやブランドはわざわざ医薬部外品として販売するのでしょうか?
理由の一つは、消費者へのアピールのしやすさがあります。
一般の化粧品では、効果についてアピールできる表現には規定があります。パッケージや広告、テレビCMなどで商品を紹介する際、56種類の表現しかできないのです。
よく見かけるこれらの表現は、その56種類に含まれています。確かによく見かける表現ですよね。各ブランドはルール違反にならないように同じ表現を使いながら、写真やイメージで商品の特徴を伝える工夫をしているのです。
一方、医薬部外品では、配合した有効成分の効用を具体的に記載して、消費者にアピールすることができます。
こういった具体的な効果の表現は、医薬部外品として承認されている場合のみ可能。
先ほどのビタミンCの例で言うと、下記のような違いがあります。
①ビタミンCが3%配合された医薬部外品の化粧水の広告
→「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぎます」と書かれている。
②ビタミンCが5%配合された一般化粧品の化粧水の広告
→「肌を整える」と書かれている。
①のほうが、具体的。配合成分が同じなのに、より高い効果を期待してしまいます。
つまり、医薬部外品(薬用化粧品)のほうが、消費者にとってわかりやすく具体的にアピールできるのです。そして、それを活用し、効果的なマーケティングを実行できるのです。
医薬部外品には全成分が書かれていない場合も
薬用化粧品を選ぶときに注意したいことがあります。それは、全成分が表示されていない可能性があるということ。
化粧品では、2001年に全成分表示が義務づけられました。その化粧品に使用されている成分は全て表示されているのです。
一方、薬用化粧品では、旧表示指定成分102種類と香料のみ表示が必要。全成分表示は任意となっているため、すべての成分が表示されていない商品もあるのです。
そのため、特定の成分にアレルギーや肌刺激を感じる場合には、成分についてメーカーに問い合わせる必要があります。
一般の化粧品と成分名が異なる
もう一つ、薬用化粧品で気をつけたいことがあります。
それは、一般の化粧品とは異なる名前で表記される成分があるということ。例えば、マイクロプラスチックを避けたい!と思っている場合、下記のように成分名が異なります。
*化粧品での成分名→医薬部外品/薬用化粧品での成分名
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アクリレーツコポリマー→アクリル酸アルキル共重合体エマルション
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PEG-10ジメチコン→メチルポリシロキサン共重合体液
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メチコン→メチルハイドロジェンポリシロキサン
- ジメチコン→メチルポリシロキサン
- カルボマー→カルボキシビニルポリマー
- (VP/VA)コポリマー→酢酸ビニル・ビニルピロリドン共重合体
名前が違っても同じ成分。
医薬部外品でも一般の化粧品でも、マイクロプラスチックであることは変わりません。
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