洗剤で手が荒れる理由
手荒れの原因として、食器用洗剤などに入っている合成の界面活性剤がよく取り上げられます。その代表例がラウリル硫酸Na。
界面活性剤(乳化剤)とは、本来混ざることがない水と油を混ぜ合わせて、その状態をキープする成分。強い洗浄力があり、その力で食器についた油汚れを落とします。
テレビのCMで「油汚れが泡で落ちる!」と言っています。スポンジでこすらなくても、泡だけで油を洗い流せる。それほどまでに、強力な洗浄力があるのです。
界面活性剤が落とす油は、フライパンや食器の油だけではありません。
フライパン汚れを落とすのと同じ強い力で、人間の肌の皮脂も洗い落とします。皮脂は肌のうるおいに必要なもの。それが過剰に洗い落とされ、肌バリアを壊します。
これが、食器洗い洗剤で手が荒れる理由です。
化粧品や歯磨き粉にも入っているラウリル硫酸Na
フライパンの油汚れを落とす合成界面活性剤である「アルキル硫酸エステルナトリウム」。実は、同じ成分が「ラウリル硫酸Na(ナトリウム)」という成分名で、化粧品にも配合されています。
数ある合成界面活性剤の中でも、ラウリル硫酸Naは非常に洗浄力(脱脂力)が強く、コストも安い。そのため、多くの化粧品やシャンプー、ボディソープ、歯磨き粉、洗剤などに配合されています。
ラウリル硫酸Naを肌に塗って大丈夫?
私たちの肌の表面は、外部からの刺激や毒から守る役割を担っています。ところが、界面活性剤は肌表面の皮脂を奪い、バリアを壊してしまいます。
ラウリル硫酸Naは、特にその力が強力。肌への負担はとりわけ大きくなります。
ドイツの調査では、パッチテストを受けた1,600人の被験者のうち、42%で肌への刺激反応が確認されました。3ヶ月半にわたり被験者に協力してもらった別の調査では、塗布時の肌刺激だけではなく、肌に塗らなくなった後も肌トラブルが続いたことが報告されています。
ラウリル硫酸Naに対して肌刺激を感じる人は、肌の赤みや乾燥、かゆみやヒリヒリ感などの症状が生じます。掻きむしって悪化してしまうと、発疹や水疱が出るなどして症状が悪化。長期化することもあります。
ラウリル硫酸Naに弱い人はこんな成分にも要注意
また、ラウリル硫酸Naに対して肌刺激を感じる人は、下記の化粧品成分にもアレルギーや紅斑反応が出る可能性が高いとされています。
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香料
- プロポリス
- ラノリンアルコール
- コカミドプロピルベタイン
- TBHQ(t-ブチルハイドロキノン)
- DEAやTEAなどのトリエタノールアミン
もし、肌トラブルが続いたら、これらの成分も入っていないかを確認してみてください。
発がん性はない
「ラウリル硫酸Naには発がん性がある」という情報が、ネットを中心に出回っています。でも、発がん性については科学的根拠はありません。
成分の毒性や危険性については、噂や根拠のない情報に振り回されず、正しく知ることが大切です。
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