化粧品で食物アレルギー

化粧品で食物アレルギーを発症するリスク

52万人の子供が食物アレルギーに苦しむ日本

先日ニュースで、日本全国の公立小中高校の生徒のうち、52万人の児童に食物アレルギーがあることが報道されていました。
毎年増加傾向しているそう。化粧品で食物アレルギーが起こる可能性を知っている人はどのぐらいいるだろう?と思い、リスクについて改めてまとめてみます。

化粧品に含まれる食物アレルゲン

化粧品には、食べ物の物質が成分として使われていることがあります。

その多くは、「天然由来配合」を謳った化粧品。乾燥肌ケア製品のほか、ベビー用スキンケアでも配合されています。
そして近年、化粧品に含まれる食物由来成分がその食べ物へのアレルギーを誘発することが、多くの調査でわかってきています。

また、食べ物にアレルギーを持っている人がその食物由来の成分配合の化粧品を肌に塗ると、ダメージを受けた肌から体内に侵入する可能性も示唆されています。

化粧品に入っている食物アレルゲン

・ヤギや牛の乳
・小麦
・アーモンドやマカデミアなどのナッツオイル
・卵
・大豆
・オレンジ

など、食品ではアレルゲン表記が必要な食べ物が、保湿クリームや石けん、赤ちゃん用おしりふき、日焼け止めクリームなどに配合されています。

この記事によると、日本のAmazonで販売されているベビー・子供用スキンケア製品の4.3%に食品アレルゲン表記が必要な食物成分が含まれていたそう。

牛乳や卵由来の成分を配合した化粧品で食物アレルギー発症のリスク

化粧品の乳成分が原因で、アナフィラキシーショックに

オーストラリアのモナシュ大学の調査によると、ヤギ乳配合の保湿剤を塗っていた皮膚炎がある女性が、ヤギのチーズを食べてアナフィラキシーショックに陥ったと報告されています。

また、2015年には、オートミール(カラスムギ)が配合されているクリームを塗っていた女性に、オーツが入った食事で命に危険が及ぶほどのアレルギーショック反応が生じたと報告されました。

同じような深刻なアレルギー反応は他にも。石鹸に配合された小麦成分による小麦アレルギーや、保湿剤に配合されたピーナッツオイルによるピーナッツアレルギーが発生していることがわかっています。

これらの事例や調査でわかったこと。それは、食べ物のアレルゲンを化粧品を介して皮膚に塗ることで、その食べ物に対するアレルギーを誘引する可能性です。

化粧品による食品アレルギーを避けるためにナッツ由来の成分を配合した化粧品で食物アレルギー発症のリスク

アナフィラキシーショックのような重篤な反応が、誰にでもすぐに出るわけではありません。でも、発疹やじんましん、肌の炎症などの症状は、化粧品を継続的に使用することで誰にでも出る可能性があります。

大人の場合は、皮膚炎やかぶれ、肌のあかみなど、なんらかの肌トラブルがある場所には、食物成分が配合された化粧品を塗らないことが強く推奨されています。

また、大人以上に、小さな赤ちゃんや子供は注意が必要。
オーストラリア臨床免疫学およびアレルギー学会では、アレルゲン表記が必要な食物成分はもちろん、すべての食物成分が配合されたクリームや保湿剤、おしりふきや軟膏を塗らないように注意喚起をしています。

アレルゲンでも「天然由来成分」

「天然由来成分」は肌にやさしい。
そう思っている人も多いかもしれません。

でも、今回例として挙げたアナフィラキシーショックを発症した人たちの多くは「天然由来成分配合」の化粧品を使っていたといいます。

ナチュラルやオーガニック志向の高まりで、「天然由来成分」を謳う商品はたくさんあります。でもそれが決して安全を保証するものではないことを知っていただきたいなと思います。

自分や大切な人、子供たちの健康を守るのは、正しい知識です。
こういったリスクへの意識向上が、食物アレルギーに苦しむ子供たちの減少に少しでもつながることを願っています。

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