「ノンシリコン処方」化粧品は、マイクロプラスチックは不使用?

シリコンって何?

シリコンは、ケイ素という物質をもとに構成された成分。正しい名前は「シリコーン」「シリコンオイル」です。
プラスチックとは構造や由来が異なるものの、プラスチックと同じく生分解性がない(あるいは乏しい)ため、EUではマイクロプラスチックと同じ扱いを受けている成分もあります(ジメチコンなど)。

化粧品使われるシリコン(シリコンオイル)のほとんどは、下記のように「〜メチコン」「〜シロキサン」という成分名がついています。

・メチコン
・セチルジメチコン
・アモジメチコン
・シクロメチコン
・フェニルトリメチコン
・ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン
・ジメチコン
・ジフェニルジメチコン
・ハイドロゲンジメチコン
・ステアリルジメチコン
・アミノプロピルジメチコン
・ビスアミノプロピルジメチコン
・ビスセテアリルアモジメチコン
・トリシロキサン
・シクロペンタシロキサン
・ポリジメチルシロキサン
・シクロヘキサシロキサン

「ノンシリコン」はマイクロプラスチック不使用?

生分解性がないという性質から、「ノンシリコン」と書いている化粧品にはマイクロプラスチックが入っていないと思う人もいるかもしれません。

でも、それは間違い。

「ノンシリコン」の化粧品には、上で挙げたような「〜メチコン」「〜シロキサン」という名前のシリコン成分が入っていないだけで、マイクロプラスチックが入っていないわけではありません。

マイクロプラスチック不使用の化粧品を選びたい場合には、「ノンシリコン」に加えて「合成ポリマー不使用」と書かれているものを選ぶと、ほとんどのマイクロプラスチックを避けられるのではないかと思います。

シリコン(シリコンオイル)が化粧品に配合される理由

シリコンは、肌に塗った時の「伸びがいい」「軽いつけ心地」「サラッとする」「ベタつかない」などの使用感を作ることができます。
また、撥水性に優れているため、ウォータープルーフや汗による化粧崩れの目的でも多く配合されています。
塗った後にしっかりと密着するため、基礎化粧品以外にもファンデーションや化粧下地、ヘアケア製品でも配合されることが多く、とても便利で人気の成分です。

成分としての安定性が高く、人体への安全性が高いとされていることから、30年ぐらい前から急速に使用率が高まりました。

シリコン(シリコンオイル)は100点満点の成分ではない

化粧品の使用感アップなどのためには、とても優れているシリコンですが、他の観点から見ると100点満点とは言い切れないこともあります。

一つ目の理由は、生分解性に乏しいこと。
先述したように、シリコンは生分解性に乏しい成分です。一度水中に流れたシリコンは、水底の泥に吸着し、長期間にわたり残留すると言われています。
EUでは自然環境への排出量を少なくするため、2020年から、洗い流す化粧品などにおいて一部のシリコン成分の使用が制限されるようになりました。

二つ目の理由は、吸着性の高さによる肌負担。
シリコンは軽いつけ心地で肌に塗ることができますが、塗った後は肌にピタッとくっつき、密着します。
水を弾く性質があるため、洗い残しによる肌トラブルや、洗浄力が強い界面活性剤によるクレンジングで肌への負担が大きくなる可能性があります。

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